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加古川市で市街化調整区域の売却は可能か?古家付き土地を安全に手放す方法を解説

「加古川市の実家を相続したけれど、市街化調整区域だから売れないと言われた」「田んぼのままの土地に買い手はつくのか」。
加古川市の北部や東部では、こうしたご相談をよくいただきます。
結論から言うと、市街化調整区域の土地や家も売ることはできます。
ただし、市街化区域と同じ感覚で進めると、途中で「その買主さんは住めません」「その使い方は許可が下りません」と話が止まることがあります。
止まるかどうかは、売り出す前の確認でほぼ決まります。
この記事では、加古川市の公開情報をもとに、売る前に確認しておきたいことと、当社が実際のご相談で見てきたつまずきやすい点をまとめました。

まず確認したいのは「その建物が1971年3月16日より前からあるか」

加古川市は1971年(昭和46年)3月16日に、市街化区域と市街化調整区域に分けられました。
この日を「区域区分日」や「線引き日」と呼びます。
調整区域の家を売るときは、建物がこの日より前からあるか、後に建てられたかで、買える人と建て替えの扱いが大きく変わります。

線引き前からある家

加古川市の案内では、線引き前に建てられた住宅は、建物を解体せず、用途と敷地が変わらなければ、誰でも購入して住むことができ、都市計画法の手続きも不要とされています。
建て替えも「開発許可等不要証明」の手続きで可能です。
買主を地元の方に限らなくてよいので、調整区域の中では比較的売りやすい物件です。

線引き後に建てられた家

線引き後の建物は、どのような許可で建てられたかによって扱いが変わります。

建てたときの許可 扱い
居住者を限定した許可(分家住宅など) 建て替えられるのは許可を受けた方やその相続人に限られる。第三者に売って住んでもらうには、用途変更の許可(都市計画法43条)が必要になる場合がある
居住者を限定しない許可 用途と敷地が同じであれば、誰でも建て替えができる
農業者用住宅 建て替えに農業者であることの証明が必要

同じ地域に同じような家が並んでいても、一軒ごとに扱いが違うことがあります。
「隣の家は普通に売れたから」は当てになりません。

売る前に解体しない

古い家だと「更地にしたほうが売りやすいのでは」と考えがちですが、調整区域では逆になることがあります。
線引き前の家の扱いは「建物を解体しないこと」が前提です。
先に壊してしまうと、建て替えできた土地が建てられない土地になるおそれがあります。
解体は、市に相談して扱いを確かめてからにしてください。

土地の地目が「田」「畑」のとき

相続した土地が登記上「田」や「畑」になっている場合は、都市計画法とは別に農地法の手続きが要ります。
許可を受けずに結んだ売買契約では、所有権が移りません。

売り方 必要な手続き ポイント
農地のまま農家に売る 農地法3条の許可 買主が農業をしていることなど、買主側に要件がある
駐車場・資材置き場・建物用地として売る 農地法5条の許可(転用目的の売買) 調整区域では許可の判断が厳しい。建物を建てるなら都市計画法の許可も合わせて要る

もう一つ大事なのが、その農地が農業振興地域の「農用地区域」(いわゆる青地)に入っているかどうかです。
青地は原則として転用できず、外す手続きには長い時間がかかります。
売り方を考える前に、まず加古川市農業委員会で確認してください。

登記は「田」でも、実際は田んぼではない土地

当社がご相談を受ける土地では、登記は「田」のままなのに、何十年も耕作されておらず、空き地や資材置き場になっているケースがかなりあります。
この場合、手続きの進め方が変わることがあるため、登記の地目だけで判断せず、現在の使われ方を写真に残して農業委員会に相談するのが近道です。


加古川市北部では、買い手の幅が広がっている

加古川市は、調整区域でも地域の実情に合わせて建築を認める仕組みを設けています。

・田園まちづくり制度:志方町・平荘町・上荘町・八幡町の北部4町では、2022年4月から、以前は「集落に通算10年以上住んでいる地縁者」に限られていた住宅の建築が、子育て世帯・起業する方・就農する方・地区外からの移住者にも広げられました。
・地区計画:地域の住民が主体となって地区計画を定めた区域では、その計画に沿った建築ができます。

お持ちの土地がこうした区域に入っていれば、「地元の人にしか売れない」と思っていた土地でも、買い手の候補が増えます。
区域に入っているかどうかは土地ごとに違うため、市の窓口で確認します。

当社が実際のご相談で見てきた「つまずきやすい点」

ここからは、加古川市や近隣の調整区域で、当社が売買や買付のお手伝いをする中で実際に出てきた点です。

1. 「隣の土地」のはずが、実は隣ではなかった

調整区域の土地は、隣接する事業者や農家の方が買い手になることが多くあります。
ところが、公図や地籍図で位置を重ねてみると、「隣」と聞いていた土地との間に、別の方の細長い土地や水路が入っていたことがありました。
隣接しているかどうかで、許可の組み立て方も買主にとっての価値も変わります。
話を進める前に、公図で位置関係を確かめておくと安心です。

2. 謄本に載っていない倉庫や納屋

農地のそばに建つ倉庫や納屋は、登記されていないことが珍しくありません。
未登記の建物が残っていると、解体と固定資産税の手続きをどちらが負担するかで、売買条件の話し合いが一つ増えます。
売り出す前に、建物が登記されているか、どの筆の上に建っているかを確認しておきましょう。

3. 田んぼだった土地は、地盤改良の費用が見込まれる

元が田の土地に建物を建てる場合、買主は地盤改良の費用を見込みます。
その分は価格の話し合いに影響するため、「周りの宅地と同じ値段」にはなりにくいと考えておいたほうが、売り出してからの値下げを避けられます。

4. 契約は「許可が下りたら成立」の形にする

転用や建築の許可が必要な売買は、許可が下りることを条件にした契約(停止条件付きの売買契約)にするのが基本です。
条件を付けずに契約すると、許可が下りなかったときに売主・買主のどちらが何を負担するかで揉めます。
手付金の扱いも、この前提で決めておきます。

5. 「売る」のではなく「貸す」とき

「売りたくはないが、貸すならいい」というご相談もあります。
駐車場や資材置き場として貸すだけなのか、借りた方が建物を建てるのかで、所有者の立場はまったく違います。
建物を建てる前提で土地を貸すと、借地の権利が強く、簡単には返ってきません。
建物を建てる前提なら、期間が来たら確実に返ってくる事業用定期借地権(公正証書での契約が必要)を検討します。

売るまでの進め方

手順 やること
1. 書類をそろえる 登記事項証明書(謄本)、公図、固定資産税の課税明細書。建物の建築確認や許可の書類が残っていれば一緒に
2. 市の窓口で確認する 建物の扱いや建て替え・用途変更は、加古川市 都市計画部 まちづくり指導課が窓口。農地の場合は加古川市農業委員会にも確認
3. 売り方を決める 住宅として売るか、事業用地として売るか、農地として売るか。誰が買えるかで価格の考え方が変わる
4. 査定を受ける 調整区域の価格は市街化区域の相場からは読めない。周辺の取引事例と、その土地で何ができるかを合わせて見る
5. 契約・引渡し 許可が必要な場合は、許可を条件にした契約にする

1と2は、不動産会社に頼まなくてもご自身でできます。
先に確認しておくと、査定の精度も上がり、売り出してからの手戻りが減ります。

まとめ

市街化調整区域の土地や家は「売れない」のではなく、「誰に・どの使い方で売れるか」が土地ごとに決まっている、というのが実態です。
・建物は1971年3月16日(線引き日)の前か後かで扱いが変わる
・線引き前の家は、解体しなければ誰でも買って住める。解体は相談してから
・地目が田・畑なら農地法の許可が要る。まず青地かどうかを確認
・北部4町の田園まちづくり制度など、買い手が広がっている地域もある
・契約は許可を条件にし、貸すなら建物を建てるかどうかを必ず決める

当社は明石市を拠点に、加古川市・播磨町・稲美町など周辺の調整区域の土地や古家の売却・買取のご相談をお受けしています。
「そもそも売れるのか」という段階からで構いません。
謄本や課税明細書をお持ちいただければ、何を確認すべきかを一緒に整理します。

参考:市街化調整区域の土地と建物について(加古川市)
市街化調整区域内での建物についてQ&A(加古川市)
加古川市の地区計画

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この記事の執筆者

江木 丈博

このブログの担当者 江木 丈博

◇ 保有資格
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー2級

◇ キャリア:8年

明石市を中心に、神戸市・加古川市・播磨町・稲美町・姫路市・高砂市など周辺エリアの不動産売却をサポートいたします!

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