
相続人の一人と連絡が取れず明石市の実家を売れない家族へ!売却手続きの進め方と相談先の選び方を解説
相続人の一人と連絡が取れず、明石市の実家を売りたくても売れない状態が続いていませんか。
不動産の相続は、相続人が複数いるだけで手続きが複雑になりやすく、特に誰か一人と連絡が途絶えていると、話し合いも売却も進まず、時間だけが過ぎてしまいます。
その間も固定資産税の負担や、空き家として老朽化や近隣トラブルへの不安は増していきます。
しかし、こうした状況でも、法的な仕組みや手続きの流れを正しく押さえれば、実家の売却を目指す道筋を立てることは可能です。
この記事では、なぜ連絡が取れない相続人がいると売却できないのかという理由から、所在確認の基本、「住所は分かるが返事がない」場合と「行方が分からない」場合それぞれの法的手続き、そして具体的な進め方までを、できるだけ分かりやすく整理してご紹介します。
ご家族だけで抱え込まずに、状況を一歩前に進めるための参考にしてみてください。
相続人と連絡が取れず明石市の実家が売れない理由
相続が発生すると、遺言による指定がない限り、不動産は相続人全員の共有財産として扱われます。
この共有不動産を丸ごと売却することは、民法上「共有物の処分」にあたり、共有者全員の同意が必要です。
そのため、相続人の誰か一人でも同意しない、または所在不明で意思確認ができない場合、実家全体を売却することはできません。
なお、法定相続分どおりの相続登記であれば、相続人の一人からでも申請できます。
ただし、これは名義を相続人全員の共有にするだけで、売却するには結局、全員の同意が必要です。
また、誰が実家を取得するかを決める遺産分割協議も、相続人全員が参加しなければ成立しません。
相続人の一人が行方不明であれば、遺産分割協議書に署名押印できないため、協議も売却も止まってしまいます。
では、連絡が取れない相続人を抜きにして、他の相続人だけで売却してしまうとどうなるのでしょうか。
共有者の一部が不動産「全体」を売る契約をしても、買主が確実に取得できるのは売った人たちの持分だけで、行方不明の相続人の持分は移りません。
実際には、買主も司法書士も全員の意思確認ができない取引には応じないため、この形で売却が完了することはまずありません。
安易に進めず、次に説明する正式な手続きを使うことが大切です。
| 項目 | 法律上の位置付け | 売却できない主な理由 |
|---|---|---|
| 相続直後の不動産 | 相続人全員の共有財産 | 売却には全員の同意が必要 |
| 遺産分割協議 | 相続人全員の参加が必要 | 一人でも欠けると成立しない |
| 所在不明の相続人がいる | 意思確認ができない | 家庭裁判所の手続きが必要になる |
連絡が取れない相続人の所在確認と連絡手段の基本
連絡が取れない相続人がいる場合は、まず相続人を確定し、現在の住所がどこかを、公的な記録をもとに確認することが大切です。
一般的には、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本等で法定相続人を確定し、そのうえで相続人の戸籍の附票を取得して、住所の履歴と現住所をたどります。
戸籍の附票には住民票上の住所の移り変わりが記録されているため、転居を繰り返している相続人の現住所を把握する際に役立ちます。
戸籍の収集は、司法書士などの専門家に依頼することもできます。
現住所が分かった場合には、電話だけに頼らず、手紙や書留郵便など記録が残る方法を使います。
遺産分割協議への参加を正式に求める場面では、内容証明郵便と配達証明を利用すると、どのような文書をいつ送り、相手に届いたかを後から確認できます。
こうした連絡の記録は、後に家庭裁判所の手続きを使う場合にも、連絡の努力を説明する資料として役立ちます。
ここで大切なのは、「住所は分かるが返事がない」状態と、「住所そのものが分からない」状態を分けて考えることです。
住所が分かっていて郵便も届いている場合は、法律上は「行方不明」にはあたらず、次に説明する不在者財産管理人の制度は使えません。
この場合は、家庭裁判所の遺産分割調停を申し立てる方法になります。
調停に相手が出てこない場合でも、最終的には審判で裁判所が分け方を決めることができます。
| 相続人の状態 | 使う手続き | ポイント |
|---|---|---|
| 住所は分かるが返事がない | 遺産分割調停・審判 | 相手が欠席しても審判で決められる |
| 住所が分からず連絡が取れない | 不在者財産管理人の選任 | 管理人が代わりに協議に参加する |
| 7年以上生死が分からない | 失踪宣告 | 法律上死亡とみなされる |

行方不明・音信不通でも売却を目指すための法的手続き
相続人の一人の行方が分からなくても、家庭裁判所の手続きを使えば、相続不動産の売却を進められる場合があります。
代表的な制度が、不在者財産管理人の選任と失踪宣告です。
いずれも、所在不明の相続人を勝手に除外するのではなく、その人の権利を守りながら手続きを進める仕組みです。
不在者財産管理人
不在者財産管理人は、住所を去って容易に戻る見込みがない人(不在者)の財産を管理するために、家庭裁判所が選任する人です。
選任された管理人は、家庭裁判所の許可を得たうえで、不在者に代わって遺産分割協議に参加し、不動産の売却にも関わることができます。
申立ては相続人などの利害関係人ができ、収入印紙800円と郵便切手代のほか、管理人の報酬などに充てる予納金として、数十万円程度を求められることがあります。
注意したいのは、管理人は不在者の権利を守る立場なので、不在者の取り分を減らすような分け方には原則として応じないことです。
売却代金のうち不在者の取り分は、管理人が管理し続けることになります。
失踪宣告
生死が分からない状態が7年以上続いている場合は、失踪宣告を申し立てることができます。
家庭裁判所が失踪宣告をすると、その人は法律上死亡したものとみなされます。
申立ての後、3か月以上の公告期間などを経て審判が出るため、申立てから宣告までにはおおむね1年前後かかります。
なお、失踪宣告を受けた人に配偶者や子どもがいる場合は、その人たちが代わりに相続人として遺産分割協議に加わることになります。
行方不明の人が協議から外れるだけ、というわけではない点に注意が必要です。
相続から10年たっている場合の新しい制度
2023年4月の民法改正で、所在の分からない共有者の持分を、裁判所の決定を得て他の共有者が取得したり、第三者に売ったりできる制度ができました。
相続で共有になった不動産の場合、この制度が使えるのは、原則として相続開始から10年を経過した後です。
長く放置されてきた実家では、不在者財産管理人よりも手続きの負担が軽くなる可能性があるため、専門家に確認してみる価値があります。
| 制度名 | 主な利用場面 | 期間・費用の目安 |
|---|---|---|
| 不在者財産管理人 | 所在不明で、生死不明が7年未満 | 数か月〜1年以上・予納金数十万円程度 |
| 失踪宣告 | 生死不明が7年以上継続 | 1年前後・費用は数万円程度 |
| 所在等不明共有者の持分の取得・譲渡 | 相続開始から10年経過 | 持分の時価相当額の供託が必要 |
明石市の実家を売却するまでの進め方と相談先の考え方
まずは、実家の相続人を戸籍で確定し、連絡が取れない相続人の状態(住所が分かるか、生死が分かるか)を整理することが出発点です。
そのうえで、上で説明したどの手続きを使うかを専門家と相談し、家庭裁判所の手続きを経て遺産分割をまとめます。
遺産分割がまとまったら、法務局に相続登記を申請し、名義を変更してから売却に進みます。
なお、相続登記の義務を果たすための「相続人申告登記」だけでは名義は変わらないため、売却の前には相続登記が必要です。
家庭裁判所の手続きを使うと、売却までには1年以上かかることも珍しくありません。
その間も、実家が空き家のままであれば、固定資産税の負担は毎年続きます。
管理が不十分な状態が長く続くと、市から「管理不全空家等」や「特定空家等」として指導を受け、勧告まで進むと土地の固定資産税の住宅用地特例が外れて税負担が大きく増えることもあります。
手続きを待つ間も、窓や戸締まりの確認、草刈りなど最低限の管理は続けておきましょう。
相談先を選ぶ際には、戸籍の収集や相続登記は司法書士、家庭裁判所の手続きは司法書士や弁護士、相続人同士で争いがある場合は弁護士と、内容に応じて専門家が分かれることを知っておくと安心です。
そのうえで、手続きが終わった後の売却の段取りまで見通して相談できる不動産会社がいると、全体の見通しが立てやすくなります。
家庭裁判所の手続きの途中でも、実家がいくらで売れそうかが分かれば、予納金などの費用に見合うかどうかを判断する材料になります。
| 手続き段階 | 主な相談先 | 確認すべき内容 |
|---|---|---|
| 相続人の確定・所在確認 | 司法書士 | 戸籍と戸籍の附票の収集 |
| 家庭裁判所の手続き | 司法書士・弁護士 | 使う制度と期間・費用の見通し |
| 売却の準備 | 不動産会社 | 売却価格の目安と空き家の管理 |
まとめ
相続人の一人と連絡が取れない状態でも、戸籍で相続人を確定し、連絡記録を残しながら状況を整理すれば、法的な手続きで売却を目指す道はあります。
住所は分かるが返事がない場合は遺産分割調停、行方が分からない場合は不在者財産管理人や失踪宣告、相続から10年たっている場合は新しい共有持分の制度と、状況によって使う手続きが変わります。
どの手続きも時間と費用がかかるため、実家がいくらで売れそうかを早めに知っておくことが、判断の助けになります。
当社では、司法書士などの専門家と協力しながら、手続きが終わった後の売却まで見通したご相談をお受けしています。
悩んで立ち止まる前に、まずはお気軽にご相談ください。